屋根についての知識
屋根について
屋根は建物の外観の姿を決めるだけでなく、雨露、風雪、寒暑、埃などから皆様の生活を守る重要な部分です。
屋根の痛みが激しい場合などは、劣化が表面だけでなく、かなり深部にまで至っている場合があります。そのまま放っておくと、雨漏りの原因となり、雨水が柱などに浸透してそこから腐ってしまったり、シロアリが繁殖して家の構造体を腐らせていく原因となり、家の寿命を縮めてしまいます。
屋根の危険信号
★瓦の割れ
何らかの衝撃が原因の大半です。例としては、アンテナや太陽熱温水器の取り付け、補修時に衝撃が加わり割れるケースです。
★瓦の寒割れ(凍害)
瓦の表面に水分が浸透し、その水分が凍って弾き割れる現象です。極寒時、瓦の表面に水分が溜まる環境の所で発生します。北側の雪溶けしにくい所や何らかの水漏れでいつも水分が溜まる所に多く見られます。
★漆喰の劣化
瓦屋根の棟土を保護している大切な部分です。劣化すると棟土に雨水が浸透して、棟の崩壊、雨漏りの原因となります。
★瓦のズレ
風や振動、葺き土のズレ、桟木の損傷によるものなどが原因です。
★棟の崩れ
瓦の寒割れや、棟土に水分を含み草木の種子が発芽して崩れに繋がったりします。
他にも、振動や地震などで崩れたり、太陽熱温水器の設置が適切でない為、棟を押しつぶしてしまう事が原因にあげられます。
★谷の不具合
葺き土の流出、瓦の脱落、谷板金・銅板の損傷劣化などが原因です。長期間酸性雨が一点に集まると銅板に穴が開いてしまう事もあります。雨漏りの原因で最も多い部位です。
★瓦の色あせ
瓦は塗膜で全体を保護しているものもあります。塗膜は7~8年頃から劣化が始まります。
★鉄部の錆
屋根の中で最も劣化が早い部分です。放っておくと穴が開き、雨漏りの原因となる恐れがあります。
★陸屋根防水の劣化
防水の種類は、ウレタン樹脂、FRP防水、ゴムシート、塗布などがあります。
★再塗装後の不具合
瓦の塗装は慎重に行わないと、塗膜がすぐに剥がれてきたり、ミクロの隙間ができてそこから雨が浸水し(毛細管現象)、雨漏りの原因にも繋がります。
屋根材の種類
屋根といっても様々な部材があります。
■瓦
他の屋根に比べて耐久性があり、寿命は一般的に約20~50年と言われています。
瓦は形、工法上、屋根との間に隙間ができるようになっているため、この隙間にできる空気の層が熱を遮断してくれるため断熱性にも優れています。
セメント瓦 | 塗料で着色するので、どんな色にもすることが出来、家の形や壁の色合わせて変えることが出来ます。 |
モニエル瓦 | デザイン性に優れ見栄えがします。軽量なので建物に与える負担も少ないと考えられています。 |
陶器瓦 | 水が入りにくく、釉薬を表面にコーティングすることにより、数十年経っても変わらぬ色合いを保ちます。 |
いぶし瓦 | 適度な吸水性を保っているので、この結露の発生を抑え、屋根裏に皮膚呼吸の役割をもたせ、家の耐久性を高めるようにできています。 |
平板瓦 | 抜群の水切り効果で緩勾配を可能です。耐寒・耐震・耐風性に優れています。 |
S瓦 | 雨風に強く、重なりを深くした雨対策や浮き上がり防止設計もされた安心の瓦です。 |
■ストレート系
瓦に比べてかなり軽く、強度があり、価格も安い。カラーバリエーションも豊富。
カラーベスト | 軽量性なので地震に耐える力があります。カラーバリエーションも豊富です。 |
工事用波型ストレート | |
かわらU | 軽量性ですが強度ももっています。波型形状なので屋根下地との間に空間ができ、根の熱を家の中に伝えない断熱効果もあります。また、屋根材を独自の固定方法で取り付けるので強風でも安心。 また、色あせしにくい、耐火性が強い特徴があります。 |
■金属系
素材への浸透性はほとんどゼロで、耐水性に非常に優れています。
緩い勾配でも施行可能でしかも、低価格で施工スピードも早いです。
横葺き | 材料はガルバリウム鋼板、フッ素塗装鋼板、ステンレス鋼板等でできています。 一番ポピュラーな葺きかたです。鋼板を横向きに使用して葺きあげるのが特徴です。 一枚の屋根材が長く作れる特徴もあります。 |
エバールーフ | ガルバリウム鋼板屋根材。程よい高さの段葺き水平ラインが屋根全体をシャープ且つ重厚に仕上げます。 鋼板のスプリングバックを活用した「ハゼ構造」で耐風性・水密性に優れ、また重が一般的な「瓦の1/10の軽さ」なので、耐震性にも優れて、「シングル屋根・カラーベスト屋根からの重ね葺き(カバー工法)も可能」です。「割れない」・「サビない」・「軽い」という特徴もあります。 |
段ルーフ | ガルバリウム鋼板でできており、断熱材と屋根材を一体成型した屋根材です。本体のつなぎ部分は浸水防止措置の施された材料です。断熱性、遮音性に富んでいます。新築屋根、リフォームにも最適です。 |
折版 | 折版屋根は、金属板を波型に折り曲げて強度を確保した屋根材料です。 現在では、コストと耐久性のバランスがいいガルバリウム鋼板を使った折版材が主流です。ゆるい勾配まで対応可能なので、平らに見える屋根を作ることが出来ます。屋根が非常に軽くなるので、地震には有利となります。屋根材自身が大きな強度を持つので、支持する下地が少なくて済みます。 屋根を支持する母屋の間隔を長くすることが出来、さらにタイトフレームと呼ばれる取付け材料以外には、垂木や野地板などの必要がなくなります。工事が簡単で工事期間が短く、材料もローコストになります。 |
瓦棒 | 金属性の屋根材で、軽量さが特徴です。シンプルさが建物のデザインを引き出します。 溝板と通し吊り子を取り付けした水密性の高い工法です。R屋根などあらゆる屋根に施工可能。既設屋根を撤去せずに二重葺改修も可能。 |
たてひら | 長尺の為、施工性能も良いので工期も大幅に短縮でき経済的です。数ある屋根材の中でも最も軽量なタイプであり、家屋にかかる負担も軽減される上、ビス止め工法の為、耐久性に関しましても非常に優れています。 屋根形状に合わせて成型(採寸後に加工いたします)する為、流れ方向に対しては継ぎ目無しでの加工及び施工が可能です。(※但し、運搬可能な長さまでに限ります)そのお陰で、屋根勾配のゆるい屋根にでも雨漏りのご心配なく使用することができます。 外観的には決して“貧相な屋根”の印象なんて与えないにも関わらず、なんと言っても低コスト!屋根材の中では波板などに次いで低価格での施工が可能なので、とても経済的な屋根材です。(※下地や工法によっては施工価格が異なります。) |
屋根の耐久年数について
★瓦
一般的に20~50年と言われています。瓦自体は100年以上もちますが、瓦のズレによって下地に雨が浸入し、葺き替えをされる方が多いです。
★ストレート系
約10年で塗装をされるか、約20年で葺き替えやカバー工法、瓦への葺き替えをされる方が多いです。
★金属系
約8年で塗装をされる事をお勧めします。
上記の耐久年数はあくまで目安です。劣化が深刻ですと、費用も工期もかなりかかってしまいます。
屋根は年中無休で皆様の生活を守ってくれています。人間が健康診断をするように、車を車検に出すように、屋根も定期的に点検することをお勧めします。